「朝のスムージー」はカフェの新定番になるか 自宅で毎朝つくって飲むのは意外と大変

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「SNSで潜在的な好みが『見える化』したのも大きいと思うんですよ」(水野さん)。「実は私も党員ではありませんが、昔から大好きな味なんです。トレンドをつかんですぐに商品化しました」(三浦さん)。

夏だけでなく、冬期にもホットのミントチョコドリンクを発売し、話題になった。今年の発売を機に、「クリエの顔」として定着したと言えるだろう。「最近のカフェ業界の流れに学ぶものもあります。例えばシングルオリジン志向や、お客様の目の前で入れるライブ感といったものですね」(水野さん)。

それを具現化したのが、フレンチアイスカフェ。フレンチプレスで入れた濃厚なカフェを、お客が自分で氷に注ぐというスタイルのアイスコーヒーだ。コーヒーを蒸らすために待つ必要があるが、それも含めてカフェの楽しみのひとつとなる。自分が味わいの仕上げをする「参加型ドリンク」であり、ライブ感も楽しめる。「やはりゆったりと楽しみたいということで、土日に需要が多いですね」(三浦さん)。

店舗ごとの常連客に対応したサービスを指向

マイカフェ宣言をきっかけに、全体のコミュニケーションも強まった

カフェ・ド・クリエではそのほか、20周年の特別企画として、「あなたのマイカフェになる」をスローガンに、個々の店が主体となった顧客サービス向上の取り組みを投げかけているという。そのツールとなったのが全179店舗から集めた「決意宣言」だ。例えば挨拶や店内の清掃といったような小さなことも含め、さまざまなアイディアが集まった。お客といっしょにコーヒーの知識を高めようということで、独自に印刷物を作った店もあるという。

「自分たちのお客様とより強くつながるために、何をすればよいのか、それを一店一店に考えてもらうことで、全体のコミュニケーションも強まったと感じています」(水野さん)。

FC店が半数を占めるカフェ・ド・クリエでは、ひとつのスローガンを掲げることで、一体感を高める効果も大きいだろう。水野さんによると、カフェ・ド・クリエはカフェとしてはリピート率が高く、さらに店舗ごとの常連客も比較的多いそうだ。個店ごとの取り組みにより、その傾向は一層強まって行くのかもしれない。

今すでに始まっているが、地域などによって異なるニーズに合わせた新業態の展開も進めているという。たとえば病院などの施設内での展開や、書店など他業種とのコラボである。

とくに病院の場合は、病院内で長く過ごす患者やその家族がリフレッシュする場となる。街中のカフェ以上に、居心地のよさや、食事の用途にも応えられる、メニューの豊富さが求められるのだ。カフェ・ド・クリエはもともとドリンク、フードのメニューは多いほうだが、さらに患者に対応したデカフェ飲料やジュース類のメニューを増やすなどしている。

群雄がしのぎを削るカフェ業界。消費者に強くアピールする独自性が、次なる争点となるのかもしれない。

圓岡 志麻 フリーライター

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まるおか しま / Shima Maruoka

1996年東京都立大学人文学部史学科を卒業。トラック・物流業界誌出版社での記者5年を経てフリーに。得意分野は健康・美容、人物、企業取材など。最近では食関連の仕事が増える一方、世の多くの女性と共通の課題に立ち向かっては挫折する日々。contact:linkedin Shima Maruoka

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