ランクルにGT-R…「買えない人気車」販売の実態 納期遅延や受注停止が続く「新車購入」の現実
ステップワゴンは、ノア/ヴォクシーに対して納期の優位性があったが、フリードについてはライバル、シエンタのほうが納期はやや短い。トヨタの販売店によると「納期は3~5カ月」というから特に短くないが、フリードと併せて検討する価値はあるだろう。
外観のミニバンらしさや3列目シートの快適性ならフリードだが、シエンタは3列目を2列目の下側に格納できて荷室の使い勝手が良い。運転感覚も含めて、シエンタの機能はコンパクトカーに近いために馴染みやすく、価格はフリードよりも割安だ。
シビック タイプR/フェアレディZ/GT-R
最後に、スポーツカーの納期や受注状況をお伝えしよう。ホンダ「シビックタイプR」についてホンダの販売店に聞くと、次のように回答された。
「長らく受注を停止しており、再開のメドも立っていない。キャンセル待ちのお客様も多く、いつ買えるかわからない。以前のNSXのように、購入希望のお客様を残したまま生産を終える可能性もある」
次に「フェアレディZ」と「GT-R」、日産のスポーツカー2車種はどうか。
フェアレディZについて、販売店は「2022年の発売後、ほとんど受注していない。受注の再開時期も不明だ。納車を待つ人も多く、これが落ち着いた後で受注を再開するだろう」と予想している。
GT-Rのほうは、「もともと生産規模が小さいため(日本国内の登録台数は多い年でも月平均100台程度)、販売は抽選で行っている。2024年の抽選は、春に済ませた。基本的には前年の抽選に漏れたお客様を対象に抽選を実施している」という。いすれも新車購入は難しいようだ。
せっかく開発しても、ほしい人が購入できなければ、存在しないのと同じだ。購入希望者が買えない状況が続けば不満が募り、メーカーに対する不信感や顧客満足度の低下につながることも考えられる。
転売が横行して中古車価格が高騰して市場が混乱するだけならまだしも、盗難が増えるような事態にもなりかねない。
メーカーは、納期も“商品力の大切な要素”と考えて、お客様を待たせる恥ずかしい売り方をしないように配慮すべきだ。
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