効果的な腸活には「野菜よりお米」が欠かせない 日本人の遺伝子はご飯を食べるのに適している

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ところが、現代人は食物繊維の摂取量が足りていません。戦後まもない1947年の日本人の食物繊維の摂取量は約27グラムでした。それが1955年になると約20グラムに減少。以後、日本人の食物繊維の摂取量は年々低下し、現在では14グラム程度になっています。

摂取目安量は18~21グラム以上ですから、4〜7グラム程度不足していることになります。

減少傾向の背景にあるのは、かつてに比べて、主食としてきた米や麦といった穀類の摂取量が減った食生活の変化です。ご飯、つまり炭水化物を食べる量が減っていることが、そのまま日本人の食物繊維不足の原因になっているのです。

これだけ世の中に健康情報が発信され、腸活ブームといわれるほど、腸活の重要性が叫ばれながら、なぜ、食物繊維の摂取量が足りていないのか。

最近は、なにやら炭水化物を「悪者」として、できるだけ減らしたほうがいいという主張をあちこちで目にします。何事もそうですが、過剰に摂取しすぎることが健康に悪影響を及ぼすこともありますが、足りないことによる弊害も大きいことをよく知っておいていただきたいと思います。

そもそも人類は、炭水化物を食べて進化してきたのです。

つい最近まで、石器時代の人類は肉を主食にしていたと考えられていました。しかし、バルセロナ自治大学のカレン・ハーディ博士の研究により、この定説はくつがえされています。

石器時代の人類の歯石を調べたハーディ博士によると、歯石に炭水化物の成分が確認できたといいます。私たちの遠い祖先は、木の実や地下茎などからエネルギーとなる炭水化物を摂取していたのです。

さらに、人類が火を使うようになって加熱調理を始めると、炭水化物から摂れるエネルギーが増加し、その結果、脳が大きくなり人類が進化を遂げたこともわかっています。

日本人の「ご飯を食べるのに適した」遺伝子を活かす

特に、日本人は「ご飯」を主食に選び、3000年以上にわたって食べ続けてきました。その結果、遺伝子レベルで驚くべき進化を遂げていることがわかっています。

ダートマス大学のナサニエル・ドミニー博士は、世界のさまざまな民族の唾液を調査し、そこに含まれる「アミラーゼ遺伝子」を解析しました。

アミラーゼ遺伝子には、炭水化物(でんぷん)を甘い糖に分解する働きがあります。炭水化物をあまり食べない民族はアミラーゼ遺伝子が4〜5個だったのに対し、日本人は平均7個持っていることがわかったのです。

次ページ日本人の「長寿」にもつながっている
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事