「やばい」以外の"自分の言葉"で「推し」を語るコツ 自分の「好き」を言語化するために重要なことは

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でも、他人の強い言葉に身を委ねすぎるのは、危険です。自分が思ってもみなかったことなのに、さも自分がもともと考えていたかのように抱いてしまう。

すると、自分の「好き」はおろか、自分の感情や思考、もともと持っていた言葉も見失ってしまいます。

そうはいっても、私たちは他人の言葉に影響を受けてしまう生き物。他人の言葉をコピーするような仕組みを持って生きている。

でも、だからこそ、抗うべきです。

言葉のクセはうつっても、思考は自分だけの部屋を持てるように。自分だけの言葉を手放さないように。

まっさきに自分の感想をメモする

その第一歩として、自分の「好き」を言語化する前に、他人の言語化を見ることは、やめておきましょう。

具体的に言うと、「SNSやインターネットで自分の推しについての感想を見るのは、自分の感想を書き終わってから‼」。

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もちろん、他人の言葉を読むことで自分の感想が生まれる場合もある。たとえば、他人が言及していたことから自分も思い出して「そうそう、私もそこ好きだった」って感想がでてくる、とかね。

でも、それは自分の感想をいったん書き終えてからでいいじゃないですか?

「この感動を人とわかち合いたい‼」そう思って、なにかを観たあとにすぐSNSを開いてしまうクセは、私自身すごくあります。でも「危険だな〜」といつも思うわけです。

自分の言葉をつくり終わったあとなら、人の言葉を見ても、「あ、ほかの人はこんなふうに思うんだ」って客観的に見られる。

だから、SNSで他人の感想を読む前にひと呼吸おいて、まずは自分の感想をメモしましょう。すごく重要なコツなので、ぜひ実践してみてください。

三宅 香帆 文芸評論家

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みやけ かほ / Kaho Miyake

1994年生まれ。高知県出身。京都大学大学院人間・環境学研究科博士前期課程修了。天狼院書店(京都天狼院)元店長。2016年「京大院生の書店スタッフが「正直、これ読んだら人生狂っちゃうよね」と思う本ベスト20を選んでみた。 ≪リーディング・ハイ≫」がハイパーバズを起こし、2016年の年間総合はてなブックマーク数ランキングで第2位となる。その卓越した選書センスと書評によって、本好きのSNSの間で大反響を呼んだ。『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社新書)、『人生を狂わす名著50』(ライツ社刊)、『女の子の謎を解く』(笠間書院)『それを読むたび思い出す』(青土社)など著書多数)。

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