世界の経営学で、イノベーション創出のメカニズムを説明する最も有名な理論が「知の探索・知の深化の理論」で、日本では「両利きの経営」の名称で知られている(ちなみにこの命名者は、私である)。
知の探索・知の深化の理論(両利きの経営理論)
1980年代頃から、認知心理学を重視する経営学者たちから提示されてきた理論で、代表的な研究者は、スタンフォード大学教授のジェームズ・マーチなどである。
イノベーションの原点は言うまでもなく、新しい知・アイデアを生み出すことだ。
新しいアイデアがなければ、新しいことはできない。
では新しい知・アイデアは、どうすれば生み出せるのか?
これについて、「イノベーションの父」と呼ばれた経済学者ヨーゼフ・シュンペーターは、90年ほど前に「新結合(ニューコンビネーション)」という概念を提唱した。
この考えによると、「『新しい知』とは常に『既存の知』と『別の既存の知』の『新しい組み合わせ』で生まれる」のだ。
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