「両利きの経営」って何?今さら聞けない"超基本" 「世界的イノベーション理論」をやさしく解説

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これは言われてみれば、当たり前といえる。

「人間の認知の狭さ」が障壁になる

人間はゼロからは何も生み出せない。みなさんも何か新しいことを思いついたときは、この世にすでにある、しかしまだ組み合わされていない何かと何かを組み合わせているのだ。

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たとえば「この素材の開発は止まっていたが、今度はこういう製品アイデアと組み合わせてみよう」「この企画は前はうまくいかなかったが、今度はこういうお客さんと組み合わせてはどうだろうか」といった感じである。

ここで障壁になるのが、人間の認知が狭いことだ。

現実世界はとても広いが、人・組織は認知に限界があるので、どうしても「目の前にあるもの」だけを組み合わせる傾向がある。

結果、しばらくすると、目の前の知と知の組み合わせが尽きてしまうのだ。

知と知の「新しい組み合わせ」の障壁になるのが「人間の認知が狭い」こと(図表:入山章栄『世界標準の経営理論』をもとに編集部が作成)

したがってイノベーションを起こすには、自分の認知の限界を超えて、遠く幅広いところまで見渡す必要がある。

遠くにあるいままで触れてこなかった知と、いま自分が持っている知などを、新しく組み合わせるのだ。

このように人・組織の認知を遠くへ広げ、離れた知と知を組み合わせる行為を、経営学では「exploration」と呼ぶ。私は「知の探索」と名付けている。

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