「レッドクイーン理論」を知っていますか?
ジャーナリストの池上彰さんとの対談書『宗教を学べば経営がわかる』の中で、「テレビ局の編成部門が、他局の二番煎じのような番組ばかりを作りたがるせいで、面白い企画が生まれない」という話題が登場する。
これは、「レッドクイーン理論」(red queen theory)という経営理論に当てはまる典型的なケースといえるだろう。
この「レッドクイーン理論」もまた、企業イノベーションに大いに関係している。
レッドクイーン理論は、1996年にスタンフォード大学のウィリアム・バーネットが提唱した。簡単に言うと、「企業はライバルと競争して、切磋琢磨すれば成長できる」というものだ。
「相手が成長すれば、自分も負けじと努力して成長し、すると相手もまた刺激を受けて成長し、今度はまた自分が……」ということである。
ちなみに、なぜこの理論が「レッドクイーン」と呼ばれるのかというと、それは、英国の作家ルイス・キャロルの小説『鏡の国のアリス』に登場する「赤の女王」が発した「あなたが本当に他の場所へ行きたいなら、いまより二倍速く走らなくてはならない」というセリフがきっかけになっているからだ。
このセリフにちなんで、生物進化学では捕食関係にある生物種同士が競い合って進化し合う循環を、「レッドクイーン効果」と呼ぶ。
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