意外?「同僚と競う=成長にいい」断言できない訳 「レッドクイーン理論」を知っていますか?

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日本でのわかりやすい例が、ガラパゴス携帯(いわゆるガラケー)である。

1990年代、日本のメーカー各社は切磋琢磨してガラケーの高機能化を進めていたが、それは細かなスペックだけの競争であった。

しかし、2000年代後半にスマートフォンが登場すると、海外メーカーにいっきに市場を奪われてしまった。

国内のライバルだけを見過ぎた結果、狭い領域での競争だけを意識するようになり、それが裏目に出たのだ。

意識すべきはライバルより腹落ちする未来へのビジョン

このように考えると、本連載の記事(「経営」も「宗教」も本質理解できる"超スゴい理論")でも述べたように、やはり大事なのは「センスメイキング」(腹落ち)なのだ。

すなわち意識すべきは「ライバル」ではなく「自分たちが腹落ちする未来へのビジョン」なのである。

遠い未来に目を向けて競争すれば、「知の探索」を続けることができて、大きな環境変化が起きた際にも、それにうまく乗ってさらに飛躍することができるのである。

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入山 章栄 早稲田大学ビジネススクール教授

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いりやま あきえ / Akie Iriyama

1972年東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業、同大学大学院経済学研究科修士課程修了。三菱総合研究所で主に自動車メーカーや国内外政府機関へのコンサルティング業務に従事した後、2008年にピッツバーグ大学経営大学院よりPh.D.を取得。ニューヨーク州立大学バッファロー校ビジネススクールのアシスタントプロフェッサーを経て、2019年より現職。専門は経営戦略論、国際経営論。著書に『世界標準の経営理論』などがある。

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