ダークマターには「星や銀河の生みの親」という重要な役割があるにもかかわらず、その正体はまだ突き止められていません。ただ、3つの特徴があることがわかっています。
1「見えない」
2「触れない(すり抜ける)」
3「重力(質量)はある」
ダークマターは光(電磁波)を出さないので、「見えない」。それだけでなく「触れない(すり抜ける)」。しかし「重力(質量)はある」ため、まわりの物体の動きに影響を与える。
まるで透明人間みたいです。そんなつかみどころのないモノの重力にがっしりとつかまれてきたおかげで、今の宇宙があるなんて、不思議ですよね。
ダークマターの候補として「未発見の素粒子」がいくつか挙げられていて、なんとかしてそれをつかまえようと世界中で研究が進められています。
ある日突然、「ダークマターをつかまえた! 正体が判明した!」というニュースが飛び込んでくるかもしれません。
ダークマターの正体を解き明かした人には、ノーベル賞が贈られるのは確実でしょう。
「ダークエネルギー」が宇宙を破壊する!?
宇宙は138億年前の「ビッグバン」とともに始まってから、現在に至るまで、休むことなくグングン膨らみ続けています(ビッグバンについては、また後日お話ししますね)。
この記事を読み始めたときから、このページにたどり着くまでも、膨らんでいるのです。いやぁ、不思議ですよね。
じつは、この宇宙の膨張は、時代とともに次第にゆるやかになっていると予想されていました。なぜなら、宇宙に存在する物質は、重力によって引っ張り合うので、膨張にブレーキをかけるからです。
そこで、膨張の仕方がどのように遅くなっているのかを調べる研究が行われました。すると、驚くべきことが明らかになったのです。
なんと、宇宙の膨張は、減速するどころか加速していました! ブレーキを踏んでいると思いきや、アクセルを踏んでいたのです。
なぜなのか理由はわかっておらず、重力に対抗して「宇宙空間を広げようとするエネルギー」が存在すると解釈するしかありません。謎に包まれていることから「ダークエネルギー」と名前が付けられただけで、正体はまるでわかっていないのです。
ダークエネルギーの正体を解き明かした人もまた、間違いなくノーベル賞を受賞することでしょう。
ダークマターは、その重力によって星や銀河を生むきっかけとなりました。
一方、ダークエネルギーは、「引き寄せる力(重力)」とは反対の「引き離す力(斥力)」を生むので、星や銀河を破壊する恐れがあります。それだけではなく、宇宙自体を終わらせてしまうかもしれません。
宇宙の命運は、ダークエネルギーに握られています。だからこそ、その正体を解き明かす必要があるのです。
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