「旧ジャニーズ」"地獄のような1年"を経た現在地 会見からこれまでの「3つのターニングポイント」
その後に現実的な問題となるのが、芸能マネジメント会社の運営だ。旧経営陣が関与せず、旧ジャニーズ事務所の資本も入れないとなると、まったく新しい会社として立ち上げていく必要がある。人材、資金、知的財産の管理など、多くの問題が立ちはだかっている。
現在に至っても解決できていない問題は多いが、新会社“STARTO ENTERTAINMENT”は無事に立ち上がり、タレントの移籍も完了し、所属タレントは芸能活動を継続するに至っている。
新会社の社長にはスピーディ代表取締役社長の福田淳氏が就任した。福田氏は過去にSNSで旧ジャニーズ事務所に批判的な投稿をしていたなどで、一部のジャニーズファンから激しく叩かれはしたが、福田氏が火中の栗を拾い、代表取締役を引き受けたからこそ、新会社が成立し得ていると言える。
SMILE-UP.社、STARTO社に残された問題
冒頭に「あるべき方向に進んでいる」と書いたが、いまだ解決できていない問題は多々ある。
SMILE-UP.社に関して言えば、被害者の補償が完了していないという点だ。ジャニー喜多川氏の性加害に関しては、随時対応は進んでいる様子なので、いずれ収束はしていくだろう。
しかしながら、被害者に対する誹謗中傷への対策、故ジャニー喜多川氏以外にも確認されている元スタッフによる性加害への対応という難題はまだ残されている。
STARTO社の所属タレントの起用に関しては、NHKとテレ東はいまだ慎重路線だが、他局は徐々に起用を再開している。広告に関しても、起用している企業とそうでない企業があるのが現状だ。
各社がタレント起用に関してそれぞれ異なった判断をすることは悪いことではないが、起用するにせよしないにせよ、タレントが不当な扱いをされていないか、健全な企業経営ができているか、監視を続けることが重要だ。
特に、STARTO社とSMILE-UP.社の事業が完全に分離する方向に向かっているのか、注視が必要だ。ファンクラブ事業はSMILE-UP.社から分割されたが、依然として同社は株主として残り、徐々に保有割合を減らしていくとしている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら