「旧ジャニーズ」"地獄のような1年"を経た現在地 会見からこれまでの「3つのターニングポイント」
やや複雑で理解しにくい組織形態になっているが、不祥事への責任を取り、かつ所属タレントを離散させることなく、芸能活動を継続させるためには、これが唯一の方法であったと言える。
紆余曲折はあったものの、重要な局面で危機回避ができていたからこそ、現在があるとも言える。
旧ジャニーズ「3つのターニングポイント」
旧ジャニーズ事務所が現在に至る重要なターニングポイントとなった出来事は大きく3つある。
1の再発防止特別チームは、故ジャニー喜多川氏の性加害に関して、旧ジャニーズ事務所が設置したものだが、第三者委員会ではなく、設立当初は独立性、中立性が疑問視されていた。ところが出てきた調査報告は、明確に性加害の事実を認定するなど、旧ジャニーズ事務所に対してかなり厳しく、信頼に足る内容となっていた。
宝塚歌劇団のパワハラ問題、旭川女子中学生凍死問題においては、最初の調査で中立性が疑問視され、再調査が行われることになった。加害側に擁護的な調査が行われると、激しい批判を受けて、事態はさらに悪化してしまう。
再発防止特別チームの調査結果は、旧ジャニーズ事務所にとっては大きなダメージであったが、最終的には被害者の補償と、組織の健全化を大きく後押しするきっかけとなった。
2つ目についてだが、1回目の旧ジャニーズ事務所の記者会見は、中途半端なものに終わった。その直後、雪崩を打ったように、所属タレントを起用する広告の取り下げが起こった。
2回目の記者会見では、指名しない記者をリスト化した「NGリスト」が流出し、大きな批判を浴びた。しかしながら、記者会見の内容は、社名の変更、補償会社と芸能マネジメント会社の分割、藤島ジュリー氏が新会社には関与しないことなど、不完全ながらも現在の組織形態の構想が提示されている。
要するに、旧ジャニーズ事務所の今後の“あるべき姿”の概要がこの時点で提示されていたのだ。
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