短期的な収益を確保するためにベテラン社員は辞めさせずに、若手社員をリストラするケースが出てきています。つまり、よくわからない将来性より「具体的に仕事ができる」目先の即戦力が重宝されるのです。
さらに言えば、経営トップに忠誠を誓う人材になることは大きなリスクを伴う時代になりました。それより社内に人間関係を円滑に行える人材こそ生き残れます。
会社に従っていては生き残れない
先述の海外ファンドは前経営陣の下で「言われたことを何でもするイエスマン」と思える幹部人材をすべて排除しました。ただ、それは新経営陣に対して忠誠を誓えないからダメなわけではなく「幹部人材として企業維持に必要なものが何か?を理解していない。現場の社員との人間関係を構築できない」と判断されたからです。
ところが、その旧経営陣に忠誠を誓ってきた人材はファンド関係者にささやかな主張をしました。
「私はトップの指示に忠実に仕えることができる人間です。よって、新たなトップの方々に対して同じように忠誠をもって仕えます。なので、引き続きよろしくお願いします」
この主張で「この部下は考え方がずれている」との確信を持たれてしまい、早期退職プログラムの候補者にノミネートされてしまいました。この事実に対して、
「私の何が間違っていたのだ。誰か教えてくれ」
と彼は周囲に叫んだようです。トップ交代まで重用されていたのに、求められない人材に転落した事実は相当なショックだったことでしょう。これは時流の変化をくみ取れなかったことが悲劇だったのかもしれません。こうした時流の変化はグローバル化や企業合併などが加速する今後において、激しくなるのは間違いありません。
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