台風シーズンも注意「カビ」が生えやすい家の特徴 不快なだけでなく健康にも影響を及ぼす

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上記をみるとわかるとおり、湿度の高い場合に限り発生するわけではない。カビの発育可能な最低湿度、温度、栄養源の条件が整えば、冬でもカビは繁殖してしまう。

住まいにカビが生えるような環境は見た目の問題はもちろんのこと、衛生的にもあまりいい状態とはいえない。湿気の多い環境は建物そのものの劣化にも影響を及ぼす可能性もある。そして何より問題となるのが、健康への影響だ。

欧米では、居住環境で過度に湿気の多い状態になることでカビや結露などが発生している状態を「ダンプネス」と名付け、人の健康に及ぼす影響についての研究を行ってきた。

2009年にWHO(世界保健機関)はダンプネスとカビに関する室内環境ガイドラインを策定。住宅のダンプネスにより、喘息やアレルギー症状などを発症したり、悪化させたりするおそれが高まる点を指摘している。

国内でも「ダンプネス」に関する研究が進められ、高湿度状況下における健康への影響が注目されている。

「カビが生えやすい家」の特徴

衛生面や見た目の不快さだけでなく、私たちの暮らしや健康にも影響を及ぼしかねない「カビ」の存在。

できる限りカビを生えにくくさせるためには、カビが好む状況下を作らないことが重要だ。つまり、①温度②湿度③栄養源の要素を管理することが求められる。

この3要素の中で最も管理しやすいのが②湿度となる。①の温度も一定程度コントロールは可能だ。しかし残念ながら、人間にとって快適な温度はカビにとっても繁殖しやすい環境下となってしまう。

壁にできた雨漏りのシミ
マンションの壁に雨漏りが原因でできた壁の染み。裏側から変質してしまっているため、拭いても拭いてもキレイにならない(写真:さくら事務所提供)

また③の栄養源に関しては、適度な掃除によって対処できる部分もある。多くのカビが人間の皮脂など有機物を好むのに対し、無機物から栄養を得るカビも存在する。つまり栄養源を徹底的除去するのは事実上不可能だ。

その点、②湿度に関しては一定のコントロールはできる。つまり住宅のカビ対策は「湿度」をどのように管理するかどうかに大きく左右されることになる。

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