台風シーズンも注意「カビ」が生えやすい家の特徴 不快なだけでなく健康にも影響を及ぼす

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また外壁がモルタルの直貼り工法の家は壁の中の通気性が悪く、湿気がたまりやすい。

ほかにも、床下の空気を通すための穴が基礎にあけられているタイプの場合、配置に偏りがあると空気の流れが滞りやすくなる(現在の新築一戸建ては換気位置が偏りにくい基礎パッキンが主流になっている)。

<Check5>そのほかの条件

◆住宅が雨漏り、水漏れしている

◆部屋の内外で温度差が生じやすい環境にあり、結露が発生してしまう(エアコンの吹き出し口が壁や窓に近い、エアコンの設定温度が極端に高いもしくは低い、エアコンを使う部屋使わない部屋で温度差が大きい等)

◆通気が滞りやすい環境(ドアや窓、換気扇の位置が偏っている、物が多く収納されて空気が動きにくくなったクローゼットや押し入れ)

◆庭に植物が多い(植物が水蒸気放出したり、通気や日照を妨げることがある)

結露は冬だけではない

夏場の結露は、床下や壁の内部など目に見えない部分で発生するケースも少なくない。一定の換気を心がけ、湿気を逃がすよう心がけが必要となる。

特に注意したいのが「温度差」。冷房で室内を冷やしすぎることで外気温との温度差が著しく大きくなり、壁の中での内部結露などにつながるためだ。

結露でできた壁紙との隙間
断熱性能不足により結露で壁紙に隙間が空いたマンション。壁下地にも剥がれた壁紙の裏にもカビはなかった。結露しても湿気の量がさほど多くなければカビが生えないことも(写真:さくら事務所提供) 

住まいが高温多湿状況にあることは不快なだけでなく、カビの発生などによる健康への影響も懸念される。カビの生えやすい状況や条件を把握し、清潔を保つことと同様、住宅の「湿気」「通気・通風」や「温度差」を意識してコントロールすることが大切だ。

昨今は省エネ性能に着目が集まり、高断熱・高気密化によって室内環境をコントロールしやすい住宅が建築されたり、二重窓など既存の住宅の室内環境を改善するためのリフォームに補助金が準備されている。

室内環境をコントロールしやすくすることは、カビの発生だけでなく省エネ性向上による光熱費の削減にもつながり、健康と財布の両方にやさしい。ぜひ取り組まれることをおすすめする。

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長嶋 修 不動産コンサルタント(さくら事務所 会長)

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ながしま おさむ / Osamu Nagashima

1999年、業界初の個人向け不動産コンサルティング会社『株式会社さくら事務所』を設立、現会長。以降、さまざまな活動を通して“第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント”第一人者としての地位を築いた。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任している。主な著書に、『マイホームはこうして選びなさい』(ダイヤモンド社)、『「マイホームの常識」にだまされるな!知らないと損する新常識80』(朝日新聞出版)、『これから3年不動産とどう付き合うか』(日本経済新聞出版社)、『「空き家」が蝕む日本』(ポプラ社)など。さくら事務所公式HPはこちら
 

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