もともと、横浜駅が開業したのは1872年。新橋~横浜間で日本最初の鉄道が開業した際にオープンした。実はこの横浜駅を初代とすると、現在の横浜駅は3代目に該当する。
というのも、初代横浜駅は、1915年に国道1号の高島町交差点付近で新・横浜駅が開業すると同時に桜木町駅へと改称。しかしそのわずか8年後、関東大震災で消失してしまい、1928年に3代目として開業したのが、現在の横浜駅である。
そこから戦災もあり、戦後復興の開発や再開発が今に至るまで途切れることなく続いてきた。これが「日本のサグラダ・ファミリア」と揶揄されるゆえんだ。
現在も老朽化した駅や周辺を整備する計画「エキサイトよこはま22」が進行中であり、2030年ごろまで続くとされる。1872年から2030年と考えると、その期間はサグラダ・ファミリアより長く、いずれはサグラダ・ファミリアのほうが「スペインの横浜駅」と呼ばれる時代が来てもおかしくない。
駅東西で違う顔に、横浜の懐の深さを感じる
そうまでして再開発が進む背景には、横浜駅の巨大な存在価値がある。同駅はJRや各種私鉄、市営地下鉄などを合わせて6社局が乗り入れており、1駅に乗り入れる鉄道事業者数としては日本最多だ。年間乗降客数も国内おろか世界屈指であり、羽田空港の国際化が進む昨今は、鉄道やバスのハブとしても重要性が高まっている。
それだけの交通の要衝であるからか、駅の東西で見られる二面性もすさまじい。例えば地下街「ポルタ」がある東側には、横浜を代表する企業「崎陽軒」や京急グループの本社、日産自動車のグローバル本社、富士フイルムビジネスイノベーションの研究開発拠点など、ビジネス街チックな雰囲気が漂う。
一方、西側は、西口(中央)こそ出ると横浜ベイシェラトンホテル&タワーズやヨドバシカメラといった都市らしい景観だが「みなみ西口」を出て広がる景色は、何というか「横浜らしさ」がない。
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