まずもって出てすぐのビルが取り壊し予定なのか一切のテナントが入っていないし、パチンコ店が目立つ。幸川に架かる幸橋辺りから周囲を見回すと、ものすごく情緒のある風景が広がる。
もちろんこれは悪い意味でいっているのではない。個人的な意見だが、一般的な再開発はどこもきれいにはなるが、見たことのある景色になりがちだ。
その点、再開発が進みながら、こうした景観が残っているのは、横浜の懐の深さを感じさせる。交通の要衝として、さまざまな人が交錯する街ならではの多様性といえる。
横浜×伊勢丹タッグが生んだ、高級感漂うフードコート
さて、今回のフードコートはそんな横浜西口に構える商業施設・ジョイナス地下の「FOOD&TIME ISETAN YOKOHAMA」にある。
FOOD&TIME ISETAN YOKOHAMAは2018年にオープンし、もともとクイーンズ伊勢丹横浜店として営業していた。余談だが、ジョイナスには高島屋も入っており、高島屋と伊勢丹が呉越同舟する施設というのは、なかなかないのではないか。この辺りも、横浜ならではだと感じる。
FOOD&TIME ISETAN YOKOHAMAは、立地を意識した「『TIME with FOOD』~時を過ごす人に『食』が寄り添う~」というコンセプトを掲げる。具体的には、交通のハブであることから朝昼夜を問わないさまざまなニーズにこたえられる空間として設計している。
そのうち、200席ほどの座席を用意した「CAFÉ&DELI PLAZA」がフードコートエリアである。ちょっとハイソなイメージもある横浜らしい、安定感のあるチェーン店に頼らないラインアップがそろう。
もともとはスシローやリンガーハットといった定番中の定番である人気チェーンも営業していたらしいが、現在はサラダボウルにワインショップ、ビストロに創作料理の店などが入居している。ラーメン店もあるが、単なるラーメンではなく「発酵ラーメン」を打ち出す店舗である点には舌を巻く。
店舗ラインナップだけでなく、空間設計も、横浜らしいというか、さすが伊勢丹というべきか、なかなか洒落ている。やや暗めの黒基調なシックなスペースに、暇つぶし用の雑誌などがあり、どこか遠出する際のちょっとした時間を優雅に過ごす、みたいな感じで楽しめそうだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら