「効率化で"不要になった社員"」活用する術ある?

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もちろん取り組むべき方向がクリアになり、新しい事業のための議論に移る方も多いです。

とはいえ、新たに「事業の拡大・成長のプラン」をもつことに対し、ハードルの高さを感じる経営者は多いでしょう。

「新事業のネタづくり」に躊躇する経営者

確かに新事業のネタを探すのは、簡単ではありません。

「簡単にネタが見つかるのならば、(業務効率化ではなく)こちらから先に取りかかっているよ」と思わずぼやきたくなる経営者も多いことでしょう。

DXを手がけるのに、コンサルティング会社やシステムベンダーなど外部のプロフェッショナルサービスの支援を依頼している企業も多いでしょうが、彼ら彼女らにしても、なかなか「攻めのDX」が提案できないのが現実です。

「守りのDX」の業務効率化と、「攻めのDX」の新事業の創出では、難易度が段違いです。

そもそも新事業の創出の支援を手掛けた経験がまったくないコンサルタントも、(私の見るところでは)多いものです。

新事業の検討に躊躇される経営者は、浮いた人員をとりあえず他部署に異動させるといったことをやりがちです。

言うまでもなく、これでは付加価値額はまったく変わりませんし、押し付けられた部署は余計な混乱が発生するなどネガティブな事態を招きかねません。

付加価値額を念頭に、浮いた人員を営業部門に異動させるといった手段に出る経営者もいます。

これも浮いた人員が営業経験者ならばさておき、そうでない場合には(こちらのほうがケースとしては多いでしょう)かなりの荒業と言わざるを得ません。

「営業担当者が増員になるのだから、顧客訪問や商談の時間も増えるはず、だから売上も増えるはずだろう」といったロジックを現場に押し付けられることもあります。これは営業部門の責任者や管理職にとっては、たまったものではありません

小手先でつくろったとしても事態が好転することはなく、悪い状態を先送りしているだけで終わってしまうものです。

「守りのDX」の効果を出したいのであれば、時に「思い切った改革」も必要です。それについては次回記事で述べましょう。

大野 隆司 経営コンサルタント、ジャパン・マネジメント・コンサルタンシー・グループ合同会社代表

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おおの りゅうじ / Ryuji Ono

1986年、早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。アンダーセン・コンサルティングを皮切りに戦略系、デジタル・IT系、フィナンシャル・アドバイザリー系と複数の外資系コンサルティング会社にて数多くの案件を遂行。ローランド・ベルガー、KPMG FASなどでパートナーを務め2019年独立。現在はDX、イノベーション創発などのテーマにおいて、約70名の独立コンサルタントとともにチームを組成して企業支援を行う。湯河原在住。週末は自宅でドックカフェを開く。愛犬飼育管理士、わな猟狩猟免状を保有。

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