しかし、このような成長事業がない場合には、「新たに仕事を準備する」ことが必要となってきます。
そして、DXへの投資に見合う効果を求めるのであれば、新たに準備する仕事は「付加価値額(粗利)の増大」に資するものであることが求められます。
付加価値額(粗利)の増大のためには、やはり「トップライン」を伸長させるための事業の拡大・成長が必要となってくるのです。
プランなき「守りのDX」は、まさに絵に描いた餅
たとえば、2回目の記事で紹介したA社のケースでは、業務効率化によって余剰となった50人を、事業部門や子会社の「現場のスタッフ機能の高度化」要員として異動させました。
しかし、付加価値額への明確な効果は出ていないため、株主としては簡単には納得しがたいというのが本音でしょう。
つまり「守りのDX」の効果を享受するならば、「事業の拡大・成長(=攻めのDX)」のプランを同時にもっておかなければならないということです。
プランなき「守りのDX」は、まさに絵に描いた餅になってしまいます。
昔からある業務効率化のプロジェクトなども同様ですが、これはいままで提案・喧伝されてきた「守りのDX」が抱える限界を露呈しているとも言えます。「限界」は、場合によっては「欺瞞」と言い換えてもいいでしょう。
悩みの相談に来られた経営者にこの点を指摘すると「これから新事業のネタを探さないといけないのか……」と逡巡される方も少なくありません。「聞いていたのと話が違うな……」と戸惑う方もいます。
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