「現場丸投げ」では、企業の成長は永遠に不可能だ 「下へ丸投げ=信頼感」は大間違いです

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DXの効果創出
「大胆な目標」で「アイデアを絞り出す環境を整備する」ことが「DXの効果創出」には必要です(写真:Turn.around.around/PIXTA)
ローランド・ベルガー、KPMG FASなどでパートナーを務め、経営コンサルタントとして「40年の実績」を有し、「企業のDX支援」を多く手がけている大野隆司氏。
大野氏のところに届く「経営層からの相談内容」が、このところ大きく変化してきているという。「DXの効果が出ない」という悩みが目に見えて増えてきているというのだ。
なぜ、こうした悩みが生じているのか。大野氏が自身の経験や大手・中小企業の現状を交えながら解説していく。

神奈川県の老舗旅館「陣屋」の奇跡

前回記事(御社の「DXが大成功する」解決策はたった2つだ)ではDXで効果を出すためには「大胆な目標」を設定することも必要だと述べました。

日本におけるDXが欧米に比べて遅れを取っているのは、実はこの目標設定と進め方に大きな問題があるのです。

一例として「大胆な目標」を設定して大成功したケースをご紹介しましょう。

神奈川県・鶴巻温泉の老舗旅館「陣屋」の例です。

この旅館は、2010年頃より「顧客戦略の転換」「オペレーションの改善」「そこでのデジタル・ツールの活用」などにより、長年の負債を解消し黒字転換を成し遂げました。

廃業寸前の老舗旅館をわずか3年でV字回復させた奇跡の復活劇は業界でも驚きをもって迎えられ、メディアに登場する機会も多いのでご存じの方もいらっしゃるでしょう。

さらには業界では例を見ない「週休3日制」を導入しているユニークな会社でもあります。

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