「現場丸投げ」では、企業の成長は永遠に不可能だ 「下へ丸投げ=信頼感」は大間違いです

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しかし、それも無理なからぬことです。

いくら経営側が「今までのやり方にとらわれずゼロベースで考えよう」と言ったとしても、現場はどうしても現状の仕事にひっぱられることは避けられません

DXで現場という資源を活かしきるためには、まずは経営者が「大胆な目標」を提示し、現場がその実現への知恵を出していくという進め方こそが現場に対する信頼感の正しい表し方でしょう。

DXの成否は「経営者の胆力」にかかっている

現場にいきなり「新規事業を考えよ」というのは厳しいかもしれません。

しかし、既存事業を新しい顧客や市場に展開する、既存市場へ新商品を投入するなどといった成長・拡大の方向性と、大まかな数値目標や目安を決めて現場に下ろすのであれば、実現可能性はグッと高まります。

業務効率化に限定するとしても、より大胆に「CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル/原材料や商品仕入などに現金を投入してから最終的に現金化されるまでの日数)をマイナスにせよ」といった目標の置き方もよいでしょう。

現場という貴重な資源を使うのならば、競合がちまちまとしたDXをやっている隙をついて「大胆な目標」を掲げ、トランスフォーメーションを志向し、競争力をつけていくことが賢いやり方ではないでしょうか。

DXで確かな効果を出すためには、「大胆な目標」を定める「胆力」こそが、今こそ経営者に必要なものだと痛感しています。

大野 隆司 経営コンサルタント、ジャパン・マネジメント・コンサルタンシー・グループ合同会社代表

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おおの りゅうじ / Ryuji Ono

1986年、早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。アンダーセン・コンサルティングを皮切りに戦略系、デジタル・IT系、フィナンシャル・アドバイザリー系と複数の外資系コンサルティング会社にて数多くの案件を遂行。ローランド・ベルガー、KPMG FASなどでパートナーを務め2019年独立。現在はDX、イノベーション創発などのテーマにおいて、約70名の独立コンサルタントとともにチームを組成して企業支援を行う。湯河原在住。週末は自宅でドックカフェを開く。愛犬飼育管理士、わな猟狩猟免状を保有。

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