100億かけても「DXの効果が全然出ない」3つの訳 効率化しても「最大の障壁」が…何が問題?

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とはいえ、投資やコストをかけた「守りのDX」を推進したものの、「机上の算定では効果が出ることになっていたけど、解雇できなかったため、ボトムラインはまったく変わりませんでした」では、いただけません。

このことを申し上げると「やっぱりそうですか……」といった反応をされる経営者の方も少なくありません。

経営者の中には、「解雇」という意思決定をあいまいにしたまま「守りのDX」を進めてしまった方、効果算定の数字の大きさに思わず飛びついてしまった方がいることも事実です。

一方で、「守りのDX」に取り組む前と後の環境の変化――たとえば、新型コロナウイルスの感染拡大や、定年延長などにより、解雇という手段がとりにくくなったという経営の方もいます。

意思決定をあいまいなまま進めてしまったにせよ、環境の変化にせよ、解雇できない結果として、経営者からは、

「解雇以外で、投資に見合うDXの効果を出す方法がわからない」

「浮いた従業員には、いったいどんな仕事を任せるのが適当でしょうか?」

というご相談が増えることになります。

【理由3】「『高付加価値の仕事』の定義」があいまい

DXで浮いた従業員を再配置する場合、多くの経営者は解雇ではなく、「彼女ら・彼らにしかできない、より付加価値の高い仕事へシフトしてもらいたい」と考えます。

しかし、「その効果が見えてこない」というのもまた、多くの経営者の悩みとなっています。

これまで担当していた仕事は消滅してしまったわけですから、浮いた従業員が付加価値の高い仕事をして効果を出してくれるはずだという期待があるのでしょう。

言葉を選ばずに言うなら、「クビにしないかわりに、そこで生まれるはずだったコスト削減の効果を上回る『何か』を生み出してくれ」ということでしょう。

人件費を削ることばかりがボトムラインの改善策ではありませんから、この期待は健全なものですし、「事業の成長・拡大のためのトランスフォーメーション」という点でも好ましいものです。

ただ、違和感が否めないのは、「付加価値の高い仕事」の中味がはっきりしないことが大半であることです。

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