東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #トップコンサルタントの「デジタルの流行」を疑う

100億かけても「DXの効果が全然出ない」3つの訳 効率化しても「最大の障壁」が…何が問題?

8分で読める
  • 大野 隆司 経営コンサルタント、ジャパン・マネジメント・コンサルタンシー・グループ合同会社代表
2/5 PAGES

DXの効果が出ない理由の1つ目は、「数字上のトリック」に惑わされてしまっている場合です。

【理由1】「〇人分削減」というトリック

仮に「100人の集団で、1人当たりの業務時間を1割削減できたとした場合、10人分の削減が可能」という効果査定となります。

しかし、「10人分の削減」は、「10人を削減できる」ことになるとは限りません。

これは「いままで100人でやっていた仕事を90人で回すことができるか」という問いにすることもできます。削減する10人が担当していた仕事を、残る90人で処理できるかと言い換えてもいいでしょう。

その答えは、多くの場合「無理」ということになります。

理由はシンプルで、削減する従業員の業務を、別の従業員に移管することが往々にして難しいからです。

同じ業務を多くの人数で担当している企業、たとえばBPOの受託企業などでない限り、1人ひとりの業務量・業務時間は減ったとしても、業務の移管は容易にはできません

そのため、従事する人数、あるいは従業員数はまったく減らないという「効果計算のトリック」となってしまうことがほとんどです。

もちろん、このトリックをうまく避けている企業もあります。

A社は、200人が従事するコーポレート業務での「守りのDX」に取り組みました(前回記事参照)。

目標とした60人分の業務量削減が見えてくるのに合わせて、1人ひとりの担当業務の再配置を行い、150人でコーポレート業務を回すことに成功しました。

60人分すべては無理だったものの、50人分の削減を実現したわけです。

次ページが続きます:
【DX化で浮いた従業員の処遇は?】

3/5 PAGES
4/5 PAGES
5/5 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象