40代にとって「ぼっち」は全然ネガティブではない 「孤独」ではなく「単独」を楽しめるのが大人
東京では1人でお店に入り、食事をすることは普通でしたし、お酒を飲むときも立ち飲み屋などで静かに自分の時間を過ごすのが常だったそうですが、その地域では1人で喫茶店でご飯を食べたり、1人で映画を見たりする文化がほぼ無かったのだそうです。
そのたびに「いや、別に寂しくはないんだけどね……(笑)」と返していたそうですが、いつしか町民からは「彼はいつも1人でいる人」とカテゴライズされていたといいます。
その町に住んだ10年あまりで「1人で寂しそう」と何十回言われたかわからないとのことでした。とはいえ、その町も住む人も今も大好きだそうで、仕事の都合で東京へ戻ったものの、今もほぼ毎年そこへ足を運んでいるとのこと。良いか悪いかではなく、文化と習慣が違ったということなのでしょう。
もし、その町の方に彼の心情を伝えるのならば、「孤独」を「単独」と置き換えてみると、ある程度は理解してもらえるのかもしれません。
どこへいくのも友達とつるんで行動するのではなく、40歳にもなったら基本は単独で行動をし、1人でいる時間を楽しめるのが大人というものです。一般にブレない自分を持っているという人は単独でいることがストレスになりませんし、むしろ楽しむことができます。
誰かとの繋がりがないと社会と関われない人は、依存と同じで自己肯定感をすり減らしていくことになりがちです。自分だけの軸で生きられないため、他者からの評価も必要以上に気にしてしまいます。
日常の中で他者とのコミュニケーションは何よりも大事ですが、最後は自己完結できる単独のメンタルを持ちつつ、40代からの日々を送りたいものです。
人がウサギを狩るのは「退屈」だから
孤独を楽しむ人というのは、退屈な時間を恐れない人でもあります。「退屈を恐れる」と聞いてピンと来ない方も多いかもしれませんが、17世紀のフランスの哲学者、ブレーズ・パスカルはそう考えた1人でした。
パスカルはウサギ狩りをする人を例にあげながら、「人は獲物が欲しいのではない。退屈から逃れたいから、気晴らしにしたいから、ひいては、みじめな人間の運命から眼をそらしたいから、狩りに行くのである」という意味の言葉を残しています(國分功一郎『暇と退屈の倫理学』新潮社より引用)。
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