「ダウンタウンを見出した男」が40年経て語ること 吉本元会長がたどり着いたひとりぼっちの処方箋

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ダウンタウンを見出し、今年4月27日まで吉本興業の会長を務めてきた大﨑洋さん(撮影:梅谷秀司)
ダウンタウンを見出し、活躍の場を作ってきた大﨑洋さんの初の単著が発売3カ月で7万部突破のベストセラーとなっています。
大﨑洋さんは吉本興業の顔として今年4月27日まで会長を務め、6月29日の株主総会をもって退社しました。今後は2025年日本国際博覧会協会の『大阪・関西万博催事検討会議』の共同座長になります。
吉本の元会長だから「笑わせるテクニック」や「業界の裏話」、あるいは「お笑いビジネス」や「波乱万丈な自叙伝」ではないかと思いきや、そのタイトルは『居場所。ひとりぼっちの自分を好きになる12の「しないこと」』。孤独や生きづらさを感じやすい時代に、どのように自分の居場所を作っていくのか。生きづらさを感じたときにどんな考え方が必要なのかをアドバイスするような内容に驚かされます。
大﨑さんの考える“居場所”とはどんなもので、どんな方法で作っていけばいいのか。“生きづらさ”の処方箋とはどんなものなのか。また、ダウンタウンの居場所をどのように作り、絆を育んでいったのか。吉本の会長を退任する直前の今年4月上旬、新宿の吉本興業東京本部で話を聞きました。
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「完璧な居場所」を作るのは難しい

大﨑さんは「居場所」というテーマが編集者との50~60時間にわたる会話の中から生まれたものであることを明かしました。つまり、大﨑さんの口から「居場所」というフレーズが何度も出るほど、それに対する意識が高いということでしょう。また、「ダウンタウンを筆頭に芸人たちの働き場所=居場所を作ってきた」という実績からもふさわしい感があります。

とはいえ大﨑さんは芸人ではなく、「学校、職場、家庭などで心の置き場がなく孤独を抱えている人たちに居場所の作り方を伝えて少しでも役に立ちたい」と思っていました。ただ、「完璧な居場所を見つけるのは難しいし、孤独は完全に消せない」という前提のもとに、「それでもひとりぼっちの自分とうまくつきあいながら、何となく心の棲家を見つける」ことをすすめています。

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