40代にとって「ぼっち」は全然ネガティブではない 「孤独」ではなく「単独」を楽しめるのが大人

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退屈であっても慌てない、「何かしなきゃ」と焦ることなく、「こういう時間もあっていい」と泰然と受け止め、むしろ楽しむことができる心の余裕を多くの40代が身につければ、ストレスを溜めて心をすり減らす中高年はこの国から減っていくはずです。

私の知人はとにかく散歩が大好きで、少しでも陽が出ていると外に出て、行き先も決めずにぶらぶらと漂い歩くのだそうです。この「漂う」というユルい感覚がいいのではないでしょうか。

その際、頭に浮かんでくることを基本的に否定せず、そのまま受け止めて緩やかに思考するようにしているのだそうです。

たとえば、休日にボーっとしている中で仕事のことが浮かんだら、「せっかくの休みなのに仕事のことなんて……忘れろ、忘れろ」と打ち消す人もいると思いますが、浮かんでくるということは脳にだってきっと何か都合があるはずです。

それはそれとして煩悩の1つとして受け止めながら、散歩中の景色を眺めつつぼんやりと考えるのだそうです。

「休みなのに仕事のことを考えてしまっている自分」を否定してストレスを感じるより、浮かんだものは浮かんだものとして受け止めるというのは、確かにおもしろい考え方なのではないでしょうか。

ひらめきは「退屈」から生まれるもの

事実、人の脳というのは、このようにぼんやりしているときに活性化する神経回路があり、これを「デフォルトモード・ネットワーク」(DMN)と呼ぶそうです。

脳科学研究の第一人者である東北大学教授の川島隆太先生によれば、この働きが活性化しているときに、脳内では蓄積された情報の整理が行われ、これによりクリエイティブな発想が生まれやすくなることがわかっているのだそうです。

豊かな発想を生むためには、ヒトの脳にも緊張と緩和、多忙と退屈の切り替えが必要なのでしょう。

従って、散歩中にボーっとしている中で仕事のことが浮かんだら、それが思いがけない創造性に富んだアイデアに転換していくことだってあるのです。電車に乗っているとき、カフェでぼんやりしているとき、突然「あっ、そうか」とひらめくのは、おそらくこのデフォルトモードが働いているからかもしれません。

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