40代にとって「ぼっち」は全然ネガティブではない 「孤独」ではなく「単独」を楽しめるのが大人

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

こうした時間というのは、仲間とワイワイ騒いで楽しむのと本質が異なり、自己の内面から満たされる1人だけで楽しめる時間です。特に私は、なぜか昔から川を見ると心が落ち着く習性があるようで、サラサラと流れる川の音と周囲の景色を見るだけで、心をすっぽりとその時間にはめ込むことができました。

これはきっと、人それぞれの心象風景によって落ち着くポイントも違うのだろう思います。

残念ながら今の私の自宅の近くに川は流れていないのですが、ここ数年はカフェに1人で入るときが心を整える時間になっています。

仕事の帰りなどに良さそうなカフェがあると迷わず入り、そこで1時間くらいを過ごしながら、メモを見返したり、打ち合わせの内容を整理したりするのを常としています。

カフェに入る前と後では心の状態があきらかに違っていますし、もちろん仕事も整理されています。私にとっては現代生活のオアシスと呼んでもいい空間なのです。

カフェ以外ではサウナも私は昔から大好きで、お金が無い若い頃も近くのサウナ施設の会員証を奮発して購入し、足しげく通ったものです。

今は若者の間でも大変に流行っているようで、2021年には「ととのう」が新語・流行語大賞にノミネートされています。最近ではサウナ漫画から派生した「サ道」という言葉も浸透しているようです。単独の時間で心を整えるという意味では、このサウナという空間もいいものでしょう。

40歳が近づいたら孤独を楽しめる大人になろうということです。1人の時間を楽しめる人は、喜びを自分で生み出せる人です。そもそも、孤独でいること自体が寂しいのではなく、「孤独感」が人の心を寂しくさせるのです。川辺で、1人で読書をすることは、別にネガティブなことでも、気の毒なことでもありません。

「孤独」ではなく「単独」を楽しめるのが大人

知り合いの編集者で、ある町で10年ほど田舎暮らしをした人がいるのですが、1人でお店などにいると必ず「あれ、1人でどうしたの」「誰かを誘いなよ」「1人じゃ寂しいじゃん」と言われてしまい、暮らし心地はよかったものの、それだけは最後まで困ってしまったと言っていました。

次ページ東京では1人で食事をすることは普通だったが
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事