大手企業ですら苦労している「専門性のある人の採用」の難しさは改めて言うまでもありません。
外部の専門家に支援を依頼するといっても、DXを多く手掛ける(それらの中味が常に適切かは疑問もありますが)外資系コンサルティング・ファーム群、それに続く国内の大手ファームや総研なども、なかなか中小企業まで手が回りません。
中小企業を主たる顧客層にしているコンサルティング会社やシステム会社は数多く存在しますが、DXのアドバイザーとなると心もとないのが実態です。
改善すべきは「労働生産性」だ
ここで着目すべきは、中小企業がDXに取り組まない理由として「DXに取り組むメリットがわからない」という理由が3割ほどあるという点です。
DXへの理解不足や属人化された業務の多さなど、さまざまな理由が考えられますが、実のところDXに着手しない中小企業の本音は「DX(というよりかは変革)の必要性を認識していない」ということが大きいのかもしれません。
ただ、「労働生産性」を大企業と中小企業で比較すると、おおよそ2倍強の差があるという事実もあります。
DXと構える必要はありませんが、労働生産性を改善するための変革を正しく認識しておく必要性は高いでしょう。
中小企業との接点が多い取引金融機関や商工会あるいは自治体などに、(非常に難易度が高いことは理解しつつも)啓蒙的な活動を期待したいところです。
ここまで、「DXの効果が出ない」と悩んでいる大企業の経営者や、効果算定のトリック、中小企業の現状などについてお話ししてきました。
いずれにせよ、大切なのは「効果算定の数字を過大評価しない」ことです。効果が出ないのであればやめるのも賢い選択肢のひとつです。
難易度は高いものの、経営者が「業務効率化の目標は、取引などのサービスのコストゼロ」と大胆な目標を設定することで、事業成長の契機をつかむという選択肢もあります。
DXの効果を「絵に描いた餅」では終わらせないためには、経営者の意思決定がカギを握っているのです。
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