経営者は「DXへの過大期待」を今すぐ捨てるべきだ 「効果出ない」悩む経営者に"足りない視点"は?

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この数字を鑑みても、「DXの効果が出ない」という悩みは、私が相談を受けている企業に限らず、DX化に取り組む企業全般に共通したものと言えるでしょう。

DX先進企業なのに効果が出ない!?

企業はどんな効果を求めて、DXに取り組んでいるのでしょうか。

DXで狙う効果は、主に以下の2つに集約されます。

①「攻めのDX」…新しい顧客・市場の獲得や新規事業の創出などで「トップラインの伸長」を狙うもの
②「守りのDX」…業務効率化による「コストの削減」を狙うもの

「①攻めのDX」は顧客心理をはじめとして、競合の動き、買収先企業の意思決定、マクロ的な経済情勢、天候やパンデミックといった、自社ではコントロールしづらい外部の影響が大きいため、効果の実現には不確実性を伴います。

片や、「②守りのDX」は、自社内での改革・改善が中心となるため、外部の影響が少なく、効果の発現が見込みやすいという特徴があります。

「効果が出ない」という悩みは、この「②守りのDX」についてが多いのです。

DXが経営アジェンダに登場したのは、経済産業省が2018年に発表した「DXレポート」からです。

私のところにご相談に来られる企業はこの頃からDXに取り組んできた、いわば「DX先進企業」であり、その多くが大企業です。

これらの企業はDXの戦略・企画や効果算定を精緻に定義・算定しています。基幹系システムの刷新やデータ活用の仕組みを構築し、さまざまな業務効率化のツールも導入してきています。

さらに、アプリ開発チームの内製化や、従業員のデジタル知見向上のためのリスキリングなどに取り組んでいる企業も珍しくありません。

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