現実問題として、「6分の効率化」は誤差の範囲内で、日々の業務が著しく効率化できるわけではありません。
ところが「効果算定」としては、このようなインパクトのある数字ができあがるわけです。
ということは、数字上はDXの効果が出ているように見えるものの、実際には業務効率化によるコスト削減の効果はほとんどない、ということになります。
こうした数字だけに踊らされてしまい、DXの効果や意思決定を見誤ってしまう経営者も少なくありません。
中小企業が「DXに乗り遅れている」理由
DX先進企業である大企業において効果が出ていないのに対し、中小企業ではDXへの取り組み自体が進んでいないという現状があります。
さきに、大手企業では6割から7割が全社的にDXに取組んでいると述べましたが、これに対し、独立行政法人情報処理推進機構の調査によれば、従業員が300人未満の中小企業においては、全社的にDXに取り組んでいる企業は2割程度。かなり状況は異なってきます。
DXによる効果は企業規模にかかわらず享受することができるものですが、なぜ中小企業におけるDXの取り組みが遅れているのでしょうか。
中小企業がDXに取り組まない理由として、6割から7割の企業が挙げているのが「DXに関する知識・情報の不足」「DXを統括・推進する人材の不足」です(中小企業庁の「中小企業白書」による)。
「知識・情報」も実際には「人」から得ることが多いことを考えると、結局は「人材不足」が一番の理由になるのかもしれません。
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