テストの難問「とにかく悩む子」は成績伸びる根拠 最近の入試では思考力を問う問題が増えている
「悩んでみよう」という指導は、生徒に「この問題をなんとか解いてみよう」と粘り強く考え抜く時間を作ってあげることにつながります。
この問題を解く時間は、昨今の入試で重視されている「思考力」を育てます。悩んだ時間の分だけ「頭を使う」ことになり、「悩む練習」をすることができるようになります。それに対して「答えを教える」指導のデメリットは、「悩む」という時間をカットしてしまっている部分にあります。
最近の入試問題では、「教科書や参考書の知識をベースにしているけれど、おそらくどの参考書にも載っていないような問題」が出題される傾向があります。
昔の入試対策は、「もぐら叩き」に例えられていました。同じような問題が何度も出てくるので、参考書や過去問を反復練習することによって、対策が可能になる。まるで決まった巣穴から「もぐら」が出てくるのを叩くかのように、たくさん対策したらその分だけ成績が上がる、と。
受験生にとって「初見の問題」が数多く出題
しかし今はそれとは違います。今までまったく出てこなかった巣穴から「もぐら」が出るようになっているのです。
大学入試は「センター試験」から「共通テスト」に変わっていますが、かなりの割合で「多くの受験生にとって初見の問題」が出題されています。
社会では今まで出題されたことがなかったグラフや統計データが使われることが多くなり、理科でも過去に出題された問題の焼き直しではなく、その場で改めて考えなければならない問題が多く出題されています。
これらの問題は、知識があっても解くことができません。いくら効率よく頭の中に知識を入れ込んでいたとしても、きちんと頭を使わなければ解けない問題が増えているのです。
そのため、冒頭の「答えを教える指導か、悩ませる指導か」という2択の答えは、現在は「悩ませる指導」のほうが正しくなってきています。昔の「もぐら叩き」的な対策を行っていた時期であれば、前者のほうが成績が上がっていたのですが、今では悩ませる指導のほうが求められる時代になってきているのです。
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