「灘→東大」3兄弟の子育てに学ぶ5つのコツ

生活動線を変え、母は受験勉強の秘書になる

2.勉強を教えるのではなく、勉強の仕方を教えよ

佐藤さんは専業主婦で、確かに知的好奇心も強く、ご自身が読書などで絶えず勉強することも、大切な時間としておられる方です。しかしここで重要なことは、彼女が受験科目に精通していて、それを教えたのではなく、主として勉強のやり方を教え、やり易いようにサポートされたということです。

中学受験の算数は難しいから、その手伝いは子供が問題を解きやすいように、1問ずつ余白十分のプリントに作り替えることでした。後の科目は音読や、気の利いた資料や参考書をそろえるなどで手伝いました。

予定通り進まなかった子には、1日2時間ずつ挽回する方法を提示して、二人三脚で完遂しています。その積み重ねだったとはいえ、東大理IIIの試験日の前日までサポートできること自体が、普通ではありません。

佐藤さんご自身が頭脳明晰な方であることは確かですが、それ以上に、子供の教育に熱心で、ご自分の子供さんに合った勉強法を研究し、その実践に、最後まで付き合ったという点が中途半端でなく、それが重要なポイントだったと感じました。

受験勉強でサポートしないのは、親が優秀でないから、というのは理由になりません。「膨大な数の絵本の読み聞かせや図鑑を日常で使い、親子で学ぶ習慣を作る」「子供の教育を最優先」「自分の子供に合った教育法の研究」「最後まで付き合う」は、普通の母親でも、真似ることができるのではないでしょうか。

親の仕事の一つ、学ぶ楽しさを教えること

子供の受験勉強をサポートするうえで、私は本書に書かれていることの全てに諸手で賛成するわけではありません。子育ては家庭環境や子供の個性、親の個性によって最適な解は変わってくるはずです。またそもそも、受験勉強をさせる前に子供の意思をどう育み、進路に反映させるかなど、より重要な「そもそも論」もあるかと思います。

それでも筆者の佐藤さんが試みられた「生活動線の工夫」と「子供の個性にあった勉強の仕方」のサポートの重要性は、親の仕事としてとても参考になるポイントだと思います。これらの努力と工夫の一つ一つが、本コラムの冒頭で述べた教育で一番大切なことである「子供に学ぶ楽しさを教える」ことにつながっているのだと思います。

話題の育児・家庭教育本書評の最終回である次回は、私が最も紹介したい、話題の良書を論じさせていただきたいと思います。

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