ヤマトHLDの11年4~9月期の海外宅配便は上海が8倍増と計画上回る絶好調ぶり。海外実績の詳細を初めて公開
国内最大手の宅配便子会社、ヤマト運輸を擁するヤマトホールディングスの木川眞社長は、10月31日の2011年4~9月期決算説明会で、始めたばかりの海外宅配便事業の詳細を初めて明らかにした。
同社は10年1月に上海で日本同様の本格的な宅配便事業を開始したが、4~9月期はに前年同期比8倍と計画を超過。法人から個人向けの”BtoC”のウェイトが高く、特にクール宅急便が全体の2割を占めている。日本におけるクール便比率(12~13%)よりも高く、上海の消費者にクール便という今までに上海になかったサービスが受け入れられていることが読み取れる。
同じく10年1月に開始したシンガポールの宅配便は、4~9月期に前年同期比3倍となったが、「BtoCの開拓が思うように進まず、BtoB中心で、計画よりちょっと下」(木川社長)。今年2月に開始した香港、同9月中旬に開始したばかりのマレーシアを含めて、4都市合計の4~9月期の宅配便取扱個数は172万個。
各都市の4~9月期の内訳は以下のとおり。
上海 130万1000個
シンガポール 29万2000個
香港 12万7000個
マレーシア 1000個
前年同期は上海、シンガポールの2都市合計で27万個だった。これまでは「順調」など定性的な情報開示のみで詳しい個数実績は明かされていなかった。
木川社長は、今後の海外展開についての質問に対し、「深センや広州でFS(フィージビリティスタディ)をせっせとやっている。北京は華南のあとかな」と中国国内での展開地域を広げる予定があることを示した。
とはいえ、ヤマトの海外宅急便はまだ種まき段階。上海、シンガポール、香港の3都市合計で、4~9月期は10億円の赤字、12年3月期通期では20億円の赤字を見込んでいる。
(山田 雄一郎 =東洋経済オンライン)
■写真:10年1月の上海での宅配便開始記念セレモニーのデモ車両
《東洋経済・最新業績予想》
(百万円) 営業収益 営業利益 経常利益 当期利益
連本2011.03 1,236,520 64,314 65,951 33,207
連本2012.03予 1,290,000 68,000 69,000 28,500
連本2013.03予 1,320,000 74,000 75,000 38,000
連中2011.09 613,526 22,676 23,307 5,877
連中2012.09予 630,000 24,000 24,500 12,300
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1株益¥ 1株配¥
連本2011.03 73.4 22
連本2012.03予 66.3 22
連本2013.03予 88.3 22
連中2011.09 13.7 11
連中2012.09予 28.6 11
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