NOYAMAとEVNION、いずれも他社がこれまで検討はしても、踏み込むことができなかった、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を活用した新事業領域ではないだろうか。
こうして三菱だけではなし得ない、各種パートナーと組んだ新しい事業を創出してのチャレンジが始まったのだ。
久保田氏は、三菱の新事業として見ると「NOYAMAとEVNIONが両輪として動く」と指摘する。EVNIONについては、別の機会に同社取材を実施する予定だ。
NOYAMAはオープンプラットフォームである
NOYAMAにおけるプラットフォームビジネスについて、もう少し噛み砕いていく。
久保田氏は「アウトドアに特化して、イベント、EC販売、地方自治体と協力した教育、社会貢献、そして防災など、さまざまなコトとモノ(いわゆる“コトづくり”)をウェブの複合サービスとして提供する」と説明する。
初年度の「冒険の学校」と「e-Outdoor」に加え、コンテンツとして「三の矢、四の矢と展開する事業を増やしていき、最終的には、そこで得たデータを活用していきたい」とプラットフォームによるデータ活用の可能性を見出す。
さらに、「NOYAMAはオープンプラットフォーム」である点を強調した。
つまり、広義におけるアウトドアに関連する異業種を含めた、多様な企業・団体・自治体などとコラボレーションやタイアップしていくわけだ。その中では、自動車メーカー各社との連携も模索する。
現行のルノー・日産・三菱アライアンスや、先に公表されたホンダ・日産・三菱による技術関連連携の枠組みには「とらわれない」という。
このように、データ連携と事業連携の両面において、NOYAMAがプラットフォームとして機能することが、NOYAMAの事業戦略の根幹だと言える。では、事業性についてはどうだろうか。
NOYAMA単体事業としてのKPI(成果の指標)については、外向けには非公開。ただし、三菱社内では当然、ロードマップに沿った数値目標を持っているという。
初年度事業の収益については、「冒険の学校」では年間費やイベント参加費などを見込むほか、SNSのみならず、アウトドア情報を発信する自社メディアとして育てることで、関連する収益も考慮できる。今後は、メタバースなどDX関連の技術を盛り込むことも検討する可能性があるようだ。
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