目上の人に「お疲れさまです」は間違いなのか

同じことでも言い回しで印象は変わる

(2)一緒に働いた人が、自分より職階が下の人の場合

〔全体〕結果を多い順に示すと、以下のとおり(「その他」「わからない」は省略)

「お疲れ様(でした)」が5割強で、「御苦労様(でした)」は3割台半ばとなっている。(1)で尋ねた自分より職階が上の人の場合と比べると、「お疲れ様(でした)」の割合が16ポイント、「ありがとう(ございました)」の割合が6ポイント低くなり、「御苦労様(でした)」の割合が21ポイント高くなっている。

「お疲れ様(でした)」……53.4%
「御苦労様(でした)」……36.1%
「ありがとう(ございました)」……5.0%
「どうも」……2.8%
何も言わない……0.5%

 

この結果を見ても、目上の人に対しては7割近い人が「お疲れ様」という言葉を使用して、すでに十分に浸透しているのがわかります。ここまで浸透していると、その言葉を使用しないで挨拶をするのにはどうしたらよいのか迷ってしまいます。

「お疲れ様」はすでに浸透している

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その言葉の持つ「本来の意味」や「由来」を理解している人にすれば、部下や後輩が先輩や上司に対して、その労をねぎらう声掛けをすること自体、(たとえ建前論だとしても)本来はあるべきではない姿だと立腹されるのも当然といえば当然です。

ただ、文化庁がこのような調査をすること自体、その時代に応じての「言葉の使い方」や「言葉の選択」の仕方に変化が表れていることを確認し、対応していくために必要とされているからにほかなりません。

もう30年以上も前になりますが、筆者自身のことを思い出してみても、当時の新入社員研修で、すでに「『ご苦労さま』は目上の人から目下の人に、『お疲れさま』は同僚、目上の人に」と、研修講師から教わった記憶は鮮明に残っています。学生から社会人になりたてで、「お疲れ様でした」という言葉に新鮮さを覚え、毎日、嬉々として使っていたものです。

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