目上の人に「お疲れさまです」は間違いなのか 同じことでも言い回しで印象は変わる

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ところがある時、外回りから帰ってきた先輩に「お疲れ様でした」といつものように元気に声掛けした時のことです。「まだ、午前中だから疲れていないよ」という言葉を返されてしまい困惑してしまいました。それ以来、正しいのだろうなと思いながらも、「お疲れ様」という言葉を目上の人に対して使うことはなくなりました。

その代わりに、場面、場面に応じて「ありがとうございます。」というお礼のひとことを添えて、万能の「言い回し」を考えたものです。

「お疲れ様」を言い換えるなら

「おはようございます。朝早くから、(私たちの指導のために)ありがとうございます。今日もよろしくお願いします」という朝の挨拶から始まり、夜であれば、「遅くまで、ありがとうございます(今日はお先に失礼します)」。

また、昼間であれば「お帰りなさいませ。(暑いなかでの、)外回りありがとうございます」など、上司、先輩に対して「お疲れ様」というねぎらうひと言ではなく、その時どきの状況に応じたひと言(例のような「おはようございます」「よろしくお願いします」など)のあたりまえの挨拶に「ありがとうございます」という感謝の言葉で気持ちを表します。

このように何気なく使う日常の挨拶の中で、きちんと気持ちを表現し続けることで、良好な人間関係が築き上げられます。

(その時「ありがとうございました」は、完了形の言い回しになってしまい、それを使い続けると、いつしか縁を切ってしまうように響きますから、極力現在形の「ありがとうございます」を使用します。)

また、同じく文化庁のサイト平成24年度版「国語に関する世論調査」には、「お疲れ様」という言葉以外でも、コミュニケーションについての興味深い結果がでています。

1. 人とのコミュニケーションについて (以下原文のまま)

誰かに話をしていて、自分の言いたかったことが、相手にうまく伝わらなかったという経験があるか、ないか<問2>(P.7)
― 6割以上の人が「ある(計)」と回答―

〔全体・年齢別〕誰かに話をしていて、自分の言いたかったことが、相手にうまく伝わらなかったという経験があるか、それとも、ないかを尋ねた。

「よくある」と「時々ある」を選んだ人を合わせた「ある(計)」は63.4%、「余りない」と「ない」を合わせた「ない(計)」は36.3%であった。

年齢別に見ると、「ある(計)」の割合は、16歳から50代までは、6割台半ばから7割前後となっている。また、60歳以上では、5割台半ばとなっている。

自分の言いたいことが伝わらなかった理由<問2付>(P.7)
― 「自分の話し方に問題がある」と考える人の割合は、若い年代で高い傾向―

〔全体〕問2で「ある(計)」を選択した人(63.4%)に、伝わらなかった理由を尋ねた。結果は以下のとおり。

・どちらかと言えば、自分の話し方に問題があることが多いと感じる……55.0%
・どちらかと言えば、相手の聞き方に問題があることが多いと感じる……8.6%
・どちらとも言えない……35.9%
・わからない……0.5%

 

〔年齢別〕年齢別に見ると、すべての年代で、「どちらかと言えば、自分の話し方に問題があることが多いと感じる」と回答した人の割合が最も高くなっている。

中でも、16~19歳では8割、20~30代では6割台後半となっており、40代以上に比べて高くなっている。一方、「どちらかと言えば、相手の聞き方に問題があることが多いと感じる」と回答した人は、60歳以上を除くすべての年代で1割に達していない。

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