目上の人に「お疲れさまです」は間違いなのか 同じことでも言い回しで印象は変わる
今、「お疲れ様です」という言葉が、大きな波紋を呼んでいます。
7月26日放送の『ヨルタモリ』(フジテレビ系)でタモリさんが「子役が誰彼かまわず『お疲れ様です』と言って回るのはおかしい」という出だしから「『お疲れ様』というのは、元来、目上の者が目下の者にいう言葉。これをわかっていないんですね」と力説しました。週刊ポスト誌をはじめ、一部のメディアでこの発言を記事化したためにあちらこちらで物議をかもしています。
さらに、その発言を受けて、民放連(日本の民間ラジオ・テレビ業者が所属する団体)が子役に「お疲れ様」と言わせないよう申し入れをすべきだとまで提言したとのこと。しかし、この記事の読者の皆さんもきっと違和感を覚えた人も大勢いると思います。
研修で教えている内容とは?
近年、各研修会社でのビジネスマナー講習では「『ご苦労さま』は目上の人から目下の人に使うのに対し、『お疲れさま』は同僚、目上の人に対して使うもの」と、研修講師から教わっているはずです。
文化庁のサイト平成17年度版「国語に関する世論調査」の結果を参考にすると
4.仕事が終わったときに、どのような言葉を掛けるか(以下原文のまま)
― 相手の職階が上だと、約7割が「お疲れ様(でした)」。相手の職階が下だと「御苦労様(でした)」が増加―
会社で仕事を一緒にした人たちに対して、仕事が終わったときに何という言葉を掛けるかを、自分より職階が上の人の場合と自分より職階が下の人の場合について尋ねた。
(1)一緒に働いた人が、自分より職階が上の人の場合
〔全体〕結果を多い順に示すと、以下のとおり(「その他」「わからない」は省略)
「お疲れ様(でした)」が約7割で、「御苦労様(でした)」、「ありがとう(ございました)は、ともに1割台にとどまっている。
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