適切な準備をしておけば想定外の危機も対応できる--米大手PR会社ウェーバー・シャンドウィック ジャック・レスリー会長

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 一方で、新しい領域が出てきている。それがインターネット、あるいはソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で発生する危機への対応だ。中東での民主化をはじめ、社会のさまざまな変化の原因がインターネットやSNSにあることが多くなっている。

--情報漏洩やサイバーテロなども大きな問題となっています。

今の時代、すべてをコントロールすることはできない。重要な情報は何らかの形で外に出る道を発見されて知られることになる。企業はそれを理解しなければならない。

 問題が起こった場合、情報開示するかどうかを判断するうえでまず考えなければならないのは、市民や世論が関心を持つものなのか、という点だ。関心があると考えるならば、何らかの形で開示を考えていかなければならない。そうしないと会社としての信頼を失う。関心を持たない場合でも、正直にきちんと対応すれば、通常は世論から理解される。

私は会社に問題が起こっても、情報をきちんと発信し、コミュニケーションにおいて正直で真摯な態度であれば、社会は理解してくれると考えている。自らの過ちを認めることが大事だ。

危機をいちばん嫌がる人を担当者にするべき

--過ちを認めると経営責任を問われる。トップが自分にマイナスになる判断を下せるでしょうか。

オープンに正直に過ちを認めて、しっかりコミュニケーションできれば、市民または社会に理解されて許容される傾向がある。

ずいぶん前の話だが、コカ・コーラが消費者に知られる前に成分を変えて新しいコーラを作ろうと決定した。テイストを変え、新しいコーラのほうがいい味だとの調査結果が出た。

そのコーラを市場に出したが、市民から嫌われ、大きなブーイングが生まれた。これはマーケティングの大きなミスだった。そこで、彼らはコミュニケーションとして正直に「私たちは過ちを犯しました」と認めた。結果として販売シェアは上がった。

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