そんなとき、会社で独自に社内託児スペースを作るとの話が持ち上がる。この新しい試みに際し、ママ社員や産育休中の社員から意見を募るという。社長からは「ママは戦力。ぜひ復職してほしい」との言葉が寄せられ、平沼さんは勇気づけられた。
15年1月、子育て中の女性社員たちが集まり、保育方針や食事のこと、託児スペースの内装や家具、下に敷くマットの色や素材などについて和気あいあいと意見を述べ合った。その後、デスクが置かれていたオフィスの一画で改装工事が始まる。4月には、そこにガラス張りの部屋が登場し、平沼さんもオフィスにいる間は大半の時間をここで子どもと過ごすようになった。
ラッシュ時を避けて通勤しているものの、子どもを抱っこしながら重たい荷物を抱えて電車に乗るのは楽ではない。それでも平沼さんは「お昼寝をする息子の横でパソコンに向かったり、時にはほかの社員に面倒を見てもらったりしながら、自分自身が癒されながら安心して仕事ができる喜びが大きい。わが子と一緒に奮闘していきたい」と満足げに語る。
保育士兼事務アシスタントの正社員
神奈川県川崎市の認可保育園で保育士として勤務していた戸田朝子さん(仮名、24)。仕事は充実していたものの帰宅が遅くなることも多く、結婚を機に事務職に転職しようと決意。たまたまスタイル・エッジが出していた事務職の求人を見つけて応募した。
ところがだ。採用面接の際に聞かれたのは「保育士の仕事はもう嫌になったの?」という質問だった。戸田さんが「いいえ、子どもが大好きなので本当は保育士の仕事を続けたいんです。でも時間が不規則で体力的に厳しい。将来のことを考えると事務の仕事も身に付けたくて……」と答えると、会社に「それならば事務と保育士の両方やればいいのでは」と提案された。現在、戸田さんは週4日を保育士として働き、預かる子どものいない1日は事務アシスタントとして事務の仕事を学んでいる。
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