こんなにも重たいので太陽の中心部には強烈な力がかかり、そこで「特殊な反応」が起きています。
わざわざ特殊というくらいなので、単にガスに火がついてメラメラ燃えているわけではありません。
では、一体どんなものなのでしょうか?
「焚き火」と「恒星」を比べて考えてみましょう。
太陽と恒星の「輝きの秘密」とは?
焚き火の場合、集めた木を火で熱しているとガスが出てきます。このガスが空気中の酸素と激しく結びつくと、エネルギーが生まれ光(炎)と熱になります。いわゆる、燃焼という「化学反応」です。
一方、恒星の場合、星の中心部で水素と水素が融合して別の元素に変身する「核融合反応」という反応が起きています。
水素を材料にしてヘリウムという元素をつくりながら、同時にエネルギーを生み出します。それが恒星の光と熱になっているのです。
この、新しい元素をつくり出しながら、光り輝く反応は、モノが燃える反応よりもはるかに効率がよいのです。具体的にいうと、核融合反応は、化学反応の1000万倍を超える効率で燃料をエネルギーに変えています。
どうしてこんな桁違いの反応が起きるのでしょうか。恒星の中心部は、理系の言葉でいうと「高温・高密度」、感覚的にいえば「アツアツでギュウギュウ」な極めて特殊な環境なので、核融合反応という特別な反応が起きているのです。
「焚き火」と「恒星」の違い
現在、この「核融合炉」や「核融合発電」を地上で起こす研究が進められています。いわば、「地上に太陽をつくろうとしている」わけです。
太陽の中心部は、1600万度、2400億気圧。「核融合炉」では、このような圧力を実現することはできませんが、温度を1億度以上にすることで核融合反応を起こそうと試みています。
二酸化炭素や高レベル放射性廃棄物を出さず、ほんの少しの燃料で莫大なエネルギーが得られるため、次世代のエネルギー技術として注目されています。
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