「継続は力なり」が脳科学的になかなか難しい根拠 「赤ちゃんでも飽きる」のに大人が飽きるのは当然
赤ちゃんにあるものを見せたとき、赤ちゃんは最初、それをじーっと見つめているものです。赤ちゃんは目新しいものが大好きだからです。
けれども、しばらく見せているうちに、赤ちゃんはそれに慣れ、あまり反応してくれなくなります。これが「馴化」です。赤ちゃんにとって、それは興味の対象ではなくなったということです。
そこで、赤ちゃんにまったく別のものを見せたとします。すると、赤ちゃんはまた大きな反応を示してくれます。「さっき見せられたものとは明らかに違う」と、認識をするからです。
このように、異なる刺激で反応が回復する現象が「脱馴化」です。
赤ちゃんでも飽きる
馴化や脱馴化が脳のどこで起こるのかを、突き止めた実験もあります。大阪大学の中野珠実准教授の研究をご紹介しておきましょう。
中野准教授は、乳児期初期の前頭葉の活動を研究されています。
乳幼児の前で「バッバッバッバ」という音声を発し続け、突然それを「パ」と変えたとき、前頭葉のある部分で、馴化と脱馴化が起こるという事実がわかりました。
多くの脳科学者が指摘してきた事実ですが、やはり前頭葉は脳の中でもキーとなる部位なのです。
また、この実験結果は「赤ちゃんでも飽きる」ということを教えてくれています。
人生が始まったばかりの赤ちゃんでも「飽きる」のですから、私たち大人が「飽きる」のは、もはや当然なのです。
脳に対して、「興味の対象」を次々に提示していく。これが「続ける」ためのドーパミン・コントロールです。赤ちゃんのご機嫌をとる感覚で、楽しませていけばよいのです。
このような「常に新しい刺激をほしがる」という脳の性質さえ把握しておけば、ドーパミン・コントロールを効率よく行うことができます。
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