「継続は力なり」が脳科学的になかなか難しい根拠 「赤ちゃんでも飽きる」のに大人が飽きるのは当然
脳科学的に考えると、答えはシンプル。続かないのは、「飽きるから」です。
よく「私は飽きっぽい」といったことを言う人がいますが、逆に「飽きっぽくない人」など脳科学的に見ればいないのです。
行為自体に飽きる、ということもあれば、報酬に飽きることもあります。
「『報酬に飽きる』だなんて、なんだか贅沢な話に聞こえるなぁ」
そう思われるかもしれませんが、残念なことに事実です。
脳は、報酬がいつもと同じだったり、枯渇したり、少しでも魅力を失ったりすると、途端に興味を失ってしまいます。
刺激に素早く「慣れる」のも脳の仕事
効果的に脳に働き続けたいなら、報酬をアップデートし続ける必要があります。
そもそも脳にとっては、刺激に素早く「慣れる」ことも仕事のうちです。仮に「慣れない」「常に新鮮」などという状態でいたら、脳はエネルギーを使う量が膨大になり、疲弊してしまいます。「慣れる」ということは脳の機能を維持するために、大切なことなのです。
心理学の用語では、「慣れる」ことや順応することを「馴化」(じゅんか=habituation)と称します。平たく言えば「マンネリ化」です。
馴化は、人だけではなく動物にも起こる現象であることがわかっています。
ただし一度馴化をしても、異なる刺激を与えると、また反応は回復します。それを「脱馴化」(dishabituation)と言います。
馴化と脱馴化の関係を利用した研究法のことを「馴化―脱馴化法」と呼びます。この研究法を利用して、今まで乳幼児の多くの性質が明らかにされてきました。
たとえば、赤ちゃんの行動を考えてみると、馴化と脱馴化の関係がよくわかります。
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