「職場のパワハラ人材」容易に解雇できないワケ 人事を悩ます「パワハラか、パワハラ未満か」

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だが、実際はどうだろうか。確かに社会の目が厳しくなったことで、暴言や暴力などの悪質なパワハラは減ったかもしれないが、他者の目が届きにくいところで、パワハラ未満の圧に悩まされている社員は少なくないかもしれない。

「パワハラか、パワハラ未満か」

厚生労働省によれば、職場でのパワハラは、以下のように定義されると言う。

職場における「パワーハラスメント」とは、職場において行われる①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものであり、①~③までの要素を全て満たすものをいいます。
※客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、該当しません。(厚生労働省資料より抜粋)

上記にある、「業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導」とは、いったいどこまでなのか。それぞれの組織の判断に委ねられているように思えてならない。

人事の立場から正直に話すと、「あなた、パワハラしましたよね」と、明確にパワハラ認定するのは非常に難しいのが実情だ。

これは自身が勤務していた会社での基本的な流れだが、社員から「上司にパワハラをされた」もしくは「上司からの圧に悩んでいる」などの相談があった場合は、まずは相談者本人にヒアリングを実施する。

これまでの経緯や具体的な言動を事細かに聞き出すとともに、同じ部署内のほかのスタッフにも、パワハラの事実がなかったか、ヒアリングを行う。

上司と同年代のスタッフに聞いてみると、「若手を厳しく叱るのも指導のうちだ」と上司の肩を持つことも多い。そのため、なるべく見方が偏らないよう、さまざまな年代・属性のスタッフに聞くことも心がけている。

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