土壇場での文言修正、東電「調査報告書」の曲折

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焦点は銀行の姿勢

東電は6月、11年3月末の借入金の残高維持もしくはそれ以上の支援を金融機関に要請した。だが、実現したのは短期借入金4040億円の残高維持だけ。震災前の長期借入金と震災直後の緊急融資、合わせて約3・5兆円は約定ベースの返済を続けている。支援機構から資金支援を受ける前段として、借入金の残高を増やせるかが目先の焦点になる。

調査委の試算では柏崎刈羽原発が稼働し、10%の値上げをする“最善”のシナリオでも、12年度末に現預金が払底するほど、東電の資金繰りは厳しい。

同社は10月末までに事業計画を策定する見通しだが、認可権者の枝野担当相が報告書に基づいた計画書で首を縦に振るのか。これまでの言動を見る限り、その道筋は波乱含みだ。

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(井下健悟、倉沢美左 撮影:風間仁一郎 =週刊東洋経済2011年10月15日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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