なぜ世界の大富豪にプログラマーが多いのか その思考法に「稼げる」秘訣がある

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こういう仕事のやりかた一つひとつを、ビル・ゲイツ自身が丁寧にレビューしている。彼は完璧主義者で、ムダだと思うことを許さない。

ビル・ゲイツがエコノミークラスで移動していたのは有名な話だ。来日した時は、新幹線のグリーン車ですら乗るのを嫌がったという。そうした取り組みの賜物が、おそらくマイクロソフトを今日も世界最強の企業たらしめ、ビル・ゲイツを未だに世界一の大富豪とした原動力のひとつだろう。

プログラマー的な思考で見た「非効率」

ビル・ゲイツほどの経営者でなかったとしても、プログラマーはプログラミング以外を仕事にするとき、無意識のうちにプログラマー的な思考の枠組みで物事をみる。

たとえば進捗を確認する会議に顔を突き合わせて1時間もかける。仮説検証を順番に行う。メール1つ送るのに何十分もかかる。簡単なプレゼン資料作成に何日もかける。仕事がいちばんノッているときに割り込みが掛かって急ブレーキを踏む。

これはプログラマーからみると「なんて非効率的なんだろう」と驚くことだ。プログラマーなら日々の作業をルーチン化し、最も効率のよい方法かつ、最も短い時間で仕事を終わらせるのが当たり前なのに、それを怠ると数倍の効率をロスすることになる。

タイム・イズ・マネーというと少し古臭いが、プログラマーならではの時間短縮・効率化の手法は、少しでも効率的に要領よく働きたいと考える人にとって、学ぶべきところがある。

清水 亮 ギリア代表取締役社長兼CEO

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しみず りょう / Ryo Shimizu

1976年新潟県生まれ。ギリア株式会社代表取締役社長兼CEO。2005年に情報処理推進機構(IPA)より「天才プログラマー/スーパークリエイター」として認定される。17年にソニーCSL、WiLと共にギリア株式会社を設立。19年より一般社団法人未踏によるAIフロンティアプログラムのメンターとして活動。「ヒトとAIの共生環境」の構築に情熱を捧げる。著書に『よくわかる人工知能』(KADOKAWA)、『プログラミングバカ一代』(共著、晶文社)など。noteサークル「shi3zのメディアラボ」主宰。

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