都内の横幅1.8m「極細物件」工夫だらけ驚きの内部 「資材置き場」向きだった敷地に家を建てた

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ロフトへのアクセスは、もちろんはしごだけではない。奥にある階段からもたどりつくことができる。

このフロアには、トイレ、浴室、テラス、ロフトが並ぶ。浴室は、「星を見ながらお風呂に入りたい」という夫婦の要望から最上階に配置されることになった。

光と風が通り、水まわりにも最適だ。さらにテラスからはしごを上ると、屋上にも出ることができる。

大きなキャットタワーのような立体的な空間。上下運動を伴う室内移動は楽しく新鮮だった。

内装の壁の色や、配管の配置にも工夫

少しでも広がりを感じられる空間にするために、相原さんは建物にさまざまな工夫を盛り込んだ。

道路に面した窓は、特注の1枚ガラス。光がしっかり入るうえ、開閉式で風も抜ける。ガラス面が分割されていないため、視線を遮らず、室内に太い窓枠の影が落ちることもない。

相原さんが「アクロバティックな試みだった」と語るのは、配管のオープンな配置だ。

排水・給水の配管や電気の配線などは、住宅の外部に設置するか、内部に設備が見えないように箱で囲むことが一般的だ。

今回は、外部にスペースを取れないため、室内に入れることにした。しかし、室内はオープンなつくりにしているため、箱をそのまま設置すると閉塞感が出てしまう。相原さんは空間を遮らない設置を考え、階段室を活用した。

1.8M WIDTH HOUSE 極狭物件 YUUA建築設計事務所
階段室の中央にさりげなく配管が通っている(写真:傍島利浩)

「階段室の中央に排水用の配管を通し、周囲の細い柱には電気線を通しました。パイプは階段室の構造の一部として見せ、電気線の通った細い柱で囲むことで、圧迫感なく、配置することができました」(相原さん)

内部の壁は、ダークカラーのペンキを使い、夫婦や関係者で塗りあげた。落ち着いたトーンの壁の色によって、空間に奥行きが感じられる。床には素材感のある足場板を採用。段差部分で見られる木口の断面は、視界を彩り、空間のアクセントにもなる。

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