この住宅の名前は「1.8M WIDTH HOUSE(1.8m幅の家)」。地下1階、地上3階の鉄骨造の建物で、高さは約9.8mある。
道路に面する敷地間口は約2.5mで、奥行きは約11m。ウナギの寝床のような細長い住宅だ。物件サイトには資材置き場向きとしても紹介されていた特徴的な土地を活用。2012年4月、建物に挟まれた敷地に建てられた。
スリムだけれど狭さを感じさせない空間
出迎えてくれた家主のOさんに挨拶して、エントランスに入ると、猫が1匹、寝転んでくつろいでいた。奥には納戸として利用している半地下が見え、左手には上のフロアへ続く階段がある。
さっそく階段を上がり、辿り着いた場所は仕事場として活用されている。想像通り、空間はスリムだ。
仕事場の隣には、もう1つスペースがある。道路側に設けられた大きな窓からは光が差し込み、宙に浮くように配置された床の隙間からは心地よく光と風が抜けていく。たしかにスリムだけれども、開放感がある。
この建物を設計したのは、戸建てや長屋住宅、施設などさまざまな建物を手がける一級建築士事務所のYUUAだ。同社では、高円寺の築100年の町屋を改修し、事務所として活用している。
代表の相原まどかさんは、この「1.8m幅の家」について、写真を見た海外からの問い合わせが多かったと振り返る。
実際に、韓国やポーランド、アルゼンチン、ドイツなどで雑誌や書籍に掲載され、ニューヨークの建築コミュニティサイトのアワードで審査員賞を受賞した。スリムで細長いユニークな形状は彼らには新鮮で、人口が密集する東京らしさを感じたのかもしれない。
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