夫婦からの要望は、「移動しながら楽しめる家」。猫のように、人も上下左右に動いて、立体的に楽しめる空間を目指したという。
「人も居場所を変えて楽しめる建物にしたら面白いかもしれない。人も猫も“居場所を見つけられる家”を作ろうと考えました」(相原さん)
家の中はまるでキャットタワー
相原さんが模型を作りながら行き着いたのが、家全体をキャットタワーのようにした、高さの異なる床が浮遊する立体的な構想だった。
居場所を区切るための間仕切り壁は入れず、床の配置によって、空間をゆるやかに分ける。
キッチンにダイニング、リビング、仕事場はもちろん、階段やちょっとした段差など、建物のなかにいくつも小さな居場所を作りだした。
その床の隙間や階段の吹き抜けから光が入り、風も通り抜ける。見上げたり見下ろしたり、たたずむ場所から室内を眺めたり、居場所ごとに異なる風景も手に入る。立体的な空間で、人と猫はお互いの距離感を意識しながら過ごしていけるのだ。
さて、部屋の中に話を戻そう。
先ほども紹介したように、エントランスから階段を上がった先の仕事場には、壁に向かって机が並び、パソコンが置かれている。段差で区切られたもう1つのスペースは、ソファーが置かれ作業をしたりくつろいだりできる場所に。元は寝室として使っていたそうで、その時々で部屋の使い方も変えているという。
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