トランプと闘うハリス副大統領の「弱みと強み」 選挙でもネックになる民主党最大のアキレス腱

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トランプ氏はこれまで、侮辱的な表現で対立者を攻撃することが多かった。それらの中には、性差別や人種差別と受け取られかねない表現もあった。同じような方法でハリス氏を攻撃すれば、重大な問題を引き起こすだろう。したがって、こうした方法を続けることには、慎重にならざるをえないだろう。

こうして、トランプ氏優勢で展開すると考えられていた今回の大統領選は、ハリス氏の登場によって、大きく変化することになる。この対決にアメリカ国民がどのような判断を下すかは、今後のアメリカの進路に重大な影響を与えるだろう。

経済政策はどうなる?

では、ハリス氏は、具体的にどのような政策を打ち出すだろうか? それを考えるために、トランプ政権とバイデン政権のこれまでの政策を振り返ると、次のとおりだ。 

第1次トランプ政権は、対外経済政策において強硬策を打ち出した。とくに、対中政策で、高率関税の賦課などによって、米中経済戦争と呼ばれる事態を引き起こした。

これに対してバイデン政権は、国際協調路線を推進し、気候変動や脱炭素化などで、積極的な政策を進めようとした。また、同盟国の結束を重視した。この流れを、ハリス氏も引き継ぐだろう。

ただし、対中政策に関しては、バイデン政権はトランプ政権の強硬策を引き継いだ。この流れは、民主、共和のどちらが政権を握っても続くだろう。

国内経済対策では、トランプ政権は、コロナ期に財政拡大を行った。また、FRB(連邦準備制度理事会)に圧力をかけて金融政策の大幅緩和を行い、インフレの原因を作った。

バイデン氏も、就任直後に大規模な経済再生プランを発表、成立させた。さらに、インフラ整備計画を2021年11月に成立させた。その後のインフレ率の高まりに対処するため、2022年3月にFRBは金融引き締めに転じたが、依然としてインフレを完全に克服するには至っていない。

結局のところ 、インフレに関しては、トランプ政権もバイデン政権も責任があると言えるのではないだろうか?

トランプ氏は、インフレには批判的だが、金利を引き下げるとしている。そして、労働者への大幅な減税を公約している。金利を引き下げたり大幅な減税をしたりすれば、インフレ圧力は高まるはずだ。ハリス氏は、こうした矛盾を含む主張に対して、正統的な反論を展開できるだろうか?

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