RIZIN「手越祐也の国歌独唱を批判」は失礼なのか 手越が辞退し、選手に批判が集まっているが…

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RIZINへのイメージ悪化を招いている部分もあるとは思うが、多くの人は「RIZINはそういうものだ」と思い、“ネタ”として面白がってきたのではないだろうか。

しかしながら、今回の件は、RIZIN側が少し行き過ぎたのではないかと筆者は考えている。特に、国歌を扱った企画である点が微妙な問題をはらんでしまっていたように思う。

アメリカでは「国歌」で何度も炎上している

アメリカにおいては、有名人の国歌を巡る炎上が頻繁に起きている。

つい最近も、アメリカ大リーグのオールスター戦前日に行われたイベント・ホームランダービーで、カントリー歌手のイングリッド・アンドレスさんが国歌独唱を務めたが、何度も音程を外して批判が殺到した。アンドレスさんは謝罪し、「酒に酔っていた」と釈明。施設に入ってアルコール依存症の治療をするとまで表明した。

2016年には、アメリカのプロフットボールリーグ(NFL)で、コリン・キャパニック選手が人種差別の抗議の表明として、試合前の国歌斉唱で起立を拒否するという行動を取り、賛否両論が巻き起こった。キャパニック選手は、この行動によってNFLを追放されるに至った。

2013年に、歌手のビヨンセがオバマ大統領の就任式で国歌を独唱したが、事前に録音した音声を流した、つまり“口パク“だったことが明らかになり、批判を集めた。

日本とアメリカでは、国民の国家に対する思いや、愛国心は異なっている。しかし、国歌は慎重に扱わざるを得ないという点では同様である。

古い話ではあるが、ロック歌手の忌野清志郎さんが、アルバムに「君が代」のパンクアレンジバージョンを収録したことで、発売中止になった事例もある。

現在でも、日本の学校では国歌斉唱を強要することの是非が議論を呼んでいる。

RIZIN側は、国歌の扱いの微妙さをあまり意識していなかったように思う。

RIZINで国歌独唱を行うこと自体が不適切であるとは思わないが、今回はどうしても「手越さんありき」で、後づけで国歌の独唱を組み込んだように見える。

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