続いて4WDモデルにも試乗した。車両重量はFF+80~90kgほどになるようだが、動力性能はほとんど変わらなかった。現場でスズキの開発者に伺ったところ6速ATの各ギヤ段、ファイナルギヤ比ともにFFとは変更がないという。ただ、4WD化により後軸に駆動系の荷重が加わるため振動特性が変化したことが要因なのだろう、乗り味そのものはマイルド傾向ながらハンドリング性能には大きな違いがあった。
下り坂、少しきつめのカーブをイメージいただきたい。カーブ手前で減速を徐々に緩めじんわりステアリングを切り込んでいく状況だ。FFモデルはスッと鼻先が入り、そのまま切り込んでいくステア操作とともに向き変えが短時間で完了する。
対して4WDモデルでは、じんわり切り込んでいき、スッと入るまでは一緒なのだが、その後、グッと後輪が粘りというか、やや突っ張った動きをみせる。時間にすればわずかなのだが、その間、ステア操作に対する不感帯があるため一体感がやや薄れてしまう。結論は市販モデルに試乗してから行いたいが、日本専用の4WDモデルは、雪道など滑りやすい路面での安定性を優先した特性なのかもしれない。なお技術者によるとFFモデルの動きと同じになるように、4WDモデルのサス特性に変更を加えているという。
軽量+ハイブリッドで燃費も上々の予感
気になる燃費数値はどうか。発売前なのであくまでも筆者の推測だが、1100kg以下の車両重量、前面投影面積が少ないボディ、マイルドハイブリッド機構を組み込んでいることから、クラス平均値あたりに落ち着くと予想。燃費数値ではCVTが有利ながら6速ATもギヤ比が日本市場にマッチしており効率を高めているはずだ。
最大の競合車はホンダ「WR-V」。こちらのボトムグレードが209万8800円だからフロンクスもその価格帯に合わせるか? 発売時期は2024年秋となっているが、具体的に何月になるのか? いずれにしろヒットモデルになることだけは間違いなさそうだ。
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